コーディングは単純作業ではない。1つ1つの変数や操作の名前を決めることや、その構造、アルゴリズムにいたるまで、多くの設計判断が入り込む、クリエイティブな活動である。また、ミスが起こりやすい作業でもある。刑事やパイロット、スキューバダイビングなど、リスクが高い作業はペアで行うことは現実の世界にはたくさんある。二人でプログラミングを行うことで、リアルタイムにレビューをしていく効果、また、コードの中に注入されていく知識を共有していく効果がある。
別の視点からは、会話をしながら考えを共有することで、チームの一体感も高まるし、よいアイディアが出やすい。実際にキーボードを打っている方を「ドライバ」、横で一歩引いた視点から助言や質問を投げる方を「ナビゲータ」という。ペアの交代は15分くらいの短い間隔で行われ、開発のメリハリ、リズムも生まれる。特に、「テスト駆動開発」(後でリンク)と組み合わせることで、より会話を誘発してプログラミング活動を対話として捉えることもできる。
また、一人で書かれたコードは、独りよがりでその人しか読めないような職人コードになる傾向があり、これを回避する効果もある。すなわち、リアルタイムにレビューしながらコーディングしている、という感覚だ。レビューを後回しにするのでなく、その場で行うことで、設計のエラーをフロントロードできる。